1973年1月から3月まで約3か月間インドを旅した。やはり聖地、ベナレスは神秘的な波動を感じた。そんな遠い昔を思いながらちょっと作ってみました。ジャケ写真はフリーを拝借。またちょっとぼくの世界一周貧乏旅行記から、、、
バラナシでシタール(楽器)を買う
朝の沐浴時間にガンジス河畔に行く。
ガンガのほとりを散歩しその光景を見たり写真を撮ったり。
午前十時頃までぶらぶらして、それから食事。
食後、また、ぶらぶら。
すごく綺麗な音楽が流れている。
かつて、これほど神秘的なメロディを聴いたこともなく、
「なんだろう」
そのメロディに惹かれて裏通りをたどって行った。
楽器屋がある。
シタールという三味線のお化けのような楽器を作って売っている。
そこで、楽器作り職人が弦を調整するのを毎日見た。
シタールという楽器は、大きなかぼちゃにフレットを付けたギターと三味線
を足して割ったような代物。
かなり大きな楽器。
弦はメインストリングスが表面に七弦。
同調弦がフレッドの下にダブルで付いていて、合計二十本ぐらい。
針金で作ったピックを右手一指し指にはめて弾く。
その音が下の弦に共鳴し、すごく神秘的な音色になる。
欲しくなって値段を聞く。
「三万円」とか。
毎日毎日値引きの交渉。
次の日は「二万円」。
三日目になって、遂に一万円で交渉成立、購入した。
けっこうでかい、寝袋に入れて日本まで持ち帰ってきた。
日々、シタールを担いでインド・ネパール・タイ・香港を行脚。
無事に日本に持ち帰ったが先生がいない。
インドで購入した世界的に有名なラビシャンカール著「マイライフ・マイミュージック]という英語の教則本で練習。家で調弦し我流で弾いた。
そうこうしていると新聞にシタールの先生のことが載った。
さっそく新聞社に電話を入れ、先生の住所と電話番号を聞き、半年ぐらい教
えてもらった。
ドレミファソラシドをインド音階ではサレガマパダニサという。
西洋のような五泉譜はなく、日本の尺八のような楽譜だった。
基礎から始め先生がインドへ帰るころにはラーガ・バゲスレという
夕方に演奏する曲を少し教えてくれた。
その後先生はインドへ帰ってしまい、シタールを習ったのはそれだけ。
シタールの音はとても神秘的。
ラビシャン・カールにビートルズのジョージ・ハリスンが弟子入りした。
ニューヨークのウッドストックコンサートでも大喝采を浴びた。
ビートルズもインドの魅力に惹かれていた。
瞑想はマハリシというグルに弟子入りしたり。
「Let it be」という歌は瞑想の歌。
そういうインド哲学的なブームがあった。
その頃が第一次インドブーム。
シタール大好き人間。
世界中をいろいろ旅したが、一番面白い所はインド。
インド音楽が好きで、シタールとかガザールというペルシャ起源の音楽に惹
かれる。
ガザールは最初神を称える宗教的な音楽としてペルシャではじまる。
神に対する愛とか尊敬とかを歌にしていたものが変化して、恋人に対する愛
を歌うようになったようだ。
インド映画とマッチして、インド中で大ヒットしている。
ガザールは最近東京でも、六本木のウエーブとか大きな音楽ショップの
ワールドミュージックコーナーなどで買い求められる。
音質も素晴らしく綺麗。
若い人にもガザール音楽は魅力的だと思う。
素晴らしい曲だ。
インドの基本的な音楽はシタールとタブラ(太鼓)と伴奏のコードを弾く
タンプーラと三点セット。
クラッシックはこれを三人で演奏。
歌謡曲は、ハーモニウムという置きアコーデオンのような楽器が加わる。
そして歌手。
ポピュラーなスタイルになっている。
インドの音楽は奥が深くて素晴らしい。
もともとは宇宙の音と人間が一体になるヴェーダ、インド哲学的な
ものを表そうとしている。
ラビシャン・カールからガザールへ進み、最近はインドの映画音楽も聴いている。
「ひとりぼっちの地球街道」出版社:悠飛社より
- 作曲: Mario Takahashi
- 編曲: Mario Takahashi
- ミキシング: Mario Takahashi