空の鏡 3編
【君のプロローグ】
淡い口紅 幾重にも引いて
鏡のなかの少女は恋をする
春を待たずに捥ぎ取った果実は
不意をつかれてヒヨドリに持ち去られた
恋に恋する、そのほどに
ないものねだり、そのたびに
泣き腫らす目が憂い顔になる
空の青の深さ
なびく雲のゆくえ
木の葉がゆれる意味
君はまだ分からないだろうね
淡い口紅 一筆引くたび
鏡のなかでそのコツを覚え
春待つ間、無意識のうちに
綺麗になってく、そんな君の背中を見る
恋に恋する、そのほどに
瞳がうるむ、そのたびに
頬は紅色、恋のもどかしさ
猶予月(いざようつき)の夜
つばく虫の声に
えも言われぬ事を
知るときはずっとあとだと思う
空の青の深さ
なびく雲のゆくえ
木の葉がゆれる意味
君はまだ分からないだろうね
2021 10 4
【それは風のように】
どんな言葉も心の窓を
開くことなどできなかった
暮らしのなかの小さなほつれ
やがて大きな傷の予感した
いつしか耳をふさぐ自分が
会話するのはもう一人の自分
世間を拒否して下を向いたまま
ひたすら時が過ぎゆく日々だった
・・・あるときまでは
それは風のように
私の心の窓をたたいてくれた
それはあなたの歌
湧き上がる水が身体に沁み込むように
こんな気持ちになれた私の
どこに癒しのボタンがあったか
出来ることなら声を出したい
空にむかって声を出せたらいい
それは風のように
私の心の窓をたたいてくれた
それはあなたの歌
湧き上がる水が身体に沁み込むように
空にむかって 声を 声を出せたらいい
2021 10 4
【空を見つめて】
どこで何が起こるのか
予測不能だから
ひとつ云えることなら
君と過ごす今、このときを大事にしたい
ときの流れは薄れる気持ち
自然の摂理、仕方がないさ
けどね、これだけは云っておくから
君がいないと僕は困るんだ
愛というには言葉がちがう
じゃ、なんというのかしら
それを探しに行こうじゃないか
むかし訪ねたあの場所でもいいさ
いつか入った喫茶店
珈琲が美味しかった
海が見える公園も
君と行った場所へ、あのときを巡らせたいよ
ときの流れは、ときの重さだ
理解するのは簡単ではない
けどね、これだけは云っておく
君がいないと僕は困るんだ
空が高いと感じるままに
そう、同じキモチが大事
クルマ走らせ行こうじゃないか
むかし訪ねたあの場所でもいいさ
どこで何が起こるのか
予測不能だから
ひとつ云えることなら
君と過ごす今、このときを大事にしたい
2021 10 4
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ぺん
大題 空の鏡
3編まとめて公開をさせていただきます。
シリーズではありません、
一編一編は単独です。公開方法を変えただけです、
ピピっとくる子があれば、
何卒宜しくお願い致します。
ご縁があれば嬉しく思います。
宜しくお願い致します。
「タイトル」
君のプロローグ
それは風のように
空を見つめて