ラフマニノフのチェロソナタから最終楽章である第4楽章です。
これまでの3つの楽章を薄靄を透かして見る景色に例えるとするならば、この第4楽章は霧がすっかり一掃され明朗快活かつ壮大なパノラマを思わせるト長調のフィナーレとなっています。
曲は Allegro mosso の序奏と第1主題に始まり Moderato から Piu mosso につながる第2主題、そして Tempo Ⅰ(Allegro mosso) に戻って序奏と同じパターンで始まる展開部、さらに Meno mosso から息の長い accelerando を経て再現部へ突入します。再現部の第1主題は最初と同じ調性ですが、第2主題に移るときにさりげなく4度上へ転調します。最後は序奏に似た経過句を経て Meno mosso のゆったりとしたコーダになります。この部分ピアノのアルペジオが曲の雰囲気を一旦鎮静させますが最終部分では一挙に Vivace にテンポをあげ華やかに曲を閉じます。
このように頻繁にテンポが変わりますが唐突な感じはなく、全体が統一された流れの中に納まっています。特に第2主題の旋律はラフマニノフならではの美しいものとなっています。
第1主題とコーダの最後に用いられているチェロがト長調の主和音を下降しながら順番に奏していく部分が印象的です。
他の楽章はこちらからお聴きいただけます。
第1楽章 レント – アレグロ・モデラート(ト短調)
第2楽章 アレグロ・スケルツァンド(ハ短調)
第3楽章 アンダンテ(変ホ長調)
- 作曲: Rachmaninoff
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